50代向けの婚活バスツアーとはどんな内容か流れと費用、当日の立ち回り

53歳の会社員男性は、初めて参加したツアーで自信をなくした。同じ年齢層の人もいたのに会話が続かず、気づけば一人で座っている時間が長くなっていた。自分が場違いなのかもしれない。帰りのバスでは、もうやめたほうがいいかもしれないと落ち込んでいた。

口下手な自分には、短時間で勝負するパーティーより、時間をかけて話せるバスツアーのほうが向いているはずだった。それなのに、結果は惨敗だった。

このツアーの成果は、当日のカップル発表では測れない。成立しなかった人のところへ、翌日に連絡が来ている例がいくつもある。

目次

50代の婚活バスツアーで起きること

一日の流れ

  1. 朝、駅前などに集合。受付でプロフィールカードを受け取る
  2. 行きのバスで、男性が順番に女性の隣へ移動する。一対一で会話する時間が設けられている
  3. サービスエリアの休憩ごとに席替えをする。異性全員と一度は話せる設計が多い
  4. 観光地でフリータイム。同性同士で固まらないようにグループを組ませる運営もある
  5. 昼食は座席を指定され、少人数のテーブルで話す
  6. 帰りのバスで、気になる相手の番号や名前を記入する
  7. 到着前にカップル発表。発表をしない方式のツアーもある

一日でおよそ八時間から十時間を、同じ集団と過ごす。この長さが、この形式のすべてを決めている。

参加費と年齢の区切り

日帰りのシニア向けツアーでは、男性が1万6000円から1万7000円ほど、女性はそこから1000円ほど安い設定になっているものが多い。企画会社によっては男性が1万8000円台から2万円近くまで上がる。自治体が主催する婚活イベントなら5000円程度で参加できる場合もある。

年齢の区切りは細かい。男性52歳から72歳で女性48歳から69歳といった設定や、男女とも45歳から59歳という設定がある。50代なら、自分がその幅の真ん中に来るツアーを選ぶ。端に寄っていると、上か下のどちらかに合わせ続ける一日になる。

カップル成立率は5割前後を掲げるツアーが多い。40代以上を対象にしたツアーが年間の企画の七割から八割を占める会社もある。

参加者はほとんどが一人で来ている

いちばん多い不安が、ここで解ける。

一人参加がほとんどなので声もかけやすく、すぐに参加者同士で打ち解けられた。60代前半の女性はそう話している。友人同士で来ている人はまずいない。周りも全員、初対面の集団に一人で入った状態から始まっている。

判定は帰りのバスではなく、翌日に来る

当日成立しなかったのに交際に進んだ二人

52歳の女性は友人に勧められて参加した。行きのバスで男性が順番に隣へ座り、プロフィールカードを交換しながら話す。誰が誰だか分からなくなるほど多くの人と会話した。当日はカップル成立に至らなかった。

翌日、連絡が来た。相手は同じ再婚経験者で、家族との関係も大切にしながら関係を深めているという。

先の60代前半の女性も同じだった。当日は成立しなかったが、連絡先を交換していた相手から翌日に連絡が来て、交際が続いている。

だから、連絡先の交換が本番になる

カップル発表は、その場の勢いと運の要素が大きい。人気が集中する人がいれば、票が割れることもある。決断を迫られた数分で書いた番号が、その人の本当の判断とは限らない。

一方、連絡先を渡しておけば、家に帰って一日を振り返った後に動ける余地が残る。翌日に届く連絡は、勢いではなく落ち着いた判断から来ている分だけ、その後が続きやすい。

話して感触が悪くなかった相手には、成立を待たずにその場で交換する。これがこの形式でいちばん確実な一手になる。

帰りのバスで落ち込んだ人が取りこぼしたもの

冒頭の53歳の男性は、その日の結果だけで自分を採点してしまった。落ち込んだまま帰り、次の一手を打たなかった。

彼自身は、一回で判断せず、次は笑顔を意識して積極的に話しかけようと気持ちを切り替えて、再挑戦を考えている。この切り替えは正しい。

この形式は、逃げられない設計になっている

だから時間をかけて話せる

パーティーの一対一は数分で終わる。バスツアーでは、隣に座った相手と数十分を過ごす。移動中も、食事も、観光地でも同じ集団の中にいる。

短時間で自分をアピールするのが苦手な人にとって、この長さは味方になる。取り繕った態度は八時間もたない。逆に、口数は少なくても人柄が出る場面が何度も来る。人間性をチェックできる、と参加者が言うのはこの点だ。

だから合わないと消化試合になる

同じ性質が、逆方向にも働く。

ある50代の女性は、バスの中で誰にも話しかけられず、自由時間も一人だった。鏡に映った自分を見て涙が出たという。

パーティーなら二時間で帰れる。バスツアーは終点まで降りられない。合う人が一人もいなかったとき、残りの数時間は消化試合になる。長時間拘束されるぶん疲れるという声は、参加者から必ず出てくる。

疲れ方が独特になる

終始笑顔でいる。興味のない相手とも話し続ける。スケジュールが優先されるので観光を十分に味わえないこともある。

前日はしっかり寝る。当日は水分を持ち込み、休憩ごとに一度は一人になる時間を作る。無理に全員と深く話そうとしない。この三つで、後半の消耗がかなり違う。

当日の立ち回り

メモを取る

52歳の女性がやっていたのがこれだった。印象の良かった二人か三人にメモをつけて管理した。

誰が誰だか分からなくなるほど話す形式なので、記録がないと帰りに選べない。プロフィールカードの端に、話した内容と印象を一言ずつ書き込む。仕事の話、出身地、趣味、笑ったところ。三語で足りる。

このメモは、翌日に連絡するときの材料にもなる。あのとき話したあの件、と具体的に書ける人は、返信率がまるで違う。

一対一の会話で何を話すか

  • 最初は目的地の話から入る。共通の話題が目の前にあるので、詰まらない
  • 相手のプロフィールカードから一つ拾って質問する。答えを聞いたら、そこからもう一段だけ掘る
  • 前の結婚や離婚の理由は、こちらから聞かない。相手が話し出したときだけ受ける
  • 年収や職業の詮索も避ける。この年代は、聞かれた側が値踏みされたと感じやすい
  • 自分の話は、相手が質問してから始める

自由時間の過ごし方

いちばん差がつくのがここになる。同性同士で固まらないようグループを組ませる運営があるのは、放っておくと必ず固まるからだ。

気になる相手がいるなら、バスを降りるときに隣を確保する。写真を撮りましょうと声をかけるのが、この年代では最も自然な入口になる。何も起きないまま自由時間が終わると、その日の残りが重くなる。

服装と持ち物

  • 歩きやすい靴。観光地を回るので、革靴やヒールは持たない
  • 上に一枚羽織れるもの。バスの冷房と外気の差が大きい
  • 明るい色を一点入れる。集団の中で顔が見つけてもらいやすくなる
  • 筆記具。プロフィールカードに書き込むために要る
  • 連絡先を渡す準備。読み取ってもらう画面をすぐ出せるようにしておく

起きているトラブルと、身を守る線

第一声で心が折れることがある

隣に座った男性から、俺より背が高いな、と言われた50代の女性がいる。それだけで心が折れてしまったという。

悪意があったとは限らない。ただ、この年代の集まりでは、緊張から失礼になる人が一定数まざる。一人の第一声を、その日全体の評価として受け取らない。席替えは何度もある。

連絡先を断ったあと

連絡先の交換を断ったところ、サクラだと疑われた人がいる。強引にホテルへ誘われて、それがトラウマになった人もいる。

断ることは、参加者の当然の権利になる。断りたい相手には、連絡先を渡さない。渡してしまった後なら、すぐに削除やブロックをして構わない。

  • 帰りに自分で交通手段を選べるツアーを選ぶ。往復とも同じバスに固定される形式は、逃げ場がなくなる
  • 連絡先はメッセージアプリのIDにして、検索されない設定にしておく
  • 初回に二人で会うときは、昼間の公共の場所を指定する
  • 困ったらその場で添乗員や進行役に伝える。中高年向けのツアーには相談役が同乗していることが多い

主催の選び方

参加時に身分証を確認し、男性には就労を示すものの提示を求める運営がある。自治体が主催しているものは、この確認が厳しい。

初めて参加するなら、確認の有無を申し込み前に見ておく。カップル発表をしない方式のツアーもあり、成立の有無が周囲に分からないぶん気楽に参加できる。

何回参加するか、いつやめるか

一回で判断しない

回数を重ねるうちに慣れて、ようやく良い人に出会えたという例がある。気晴らしのつもりで参加したら交際に発展した人もいる。

一回目は、場に慣れることだけを目標にする。誰と話したか、どこで詰まったか、次に何を変えるか。それが分かれば一回目の役目は果たしている。

目的が違う人が混ざっている

結婚を目的にしていない人も参加している。旅行のついでに友達やパートナーが見つかればいい、という温度の人は少なくない。恋愛目的の人もいる。

これは欠点ではなく、この形式の性質になる。だから最初の会話で、何を求めて来たのかを軽く確かめる。真剣な相手を探しているなら、成立率の数字より、その確認のほうが役に立つ。

してほしいが先に来る人、してあげたいが先に来る人

ある男性参加者が驚いたことがある。パートナーを作って、その人にしてほしい、と言う人が多かったことだ。してあげたい、一緒にやりたいが先に来ないと関係は続かない、と彼は感じている。

この観察は、バスツアーに限らない。50代の婚活で結果が分かれるのは、条件でも見た目でもなく、ここになる。誰かに埋めてもらう空白として相手を探しているのか、一緒に何かをする相手として探しているのか。八時間の中で、それは必ず伝わる。

帰りのバスで結果が出なかったとしても、その日が無駄になったわけではない。連絡先を渡した数だけ、翌日の可能性が残っている。

Q. 50代の婚活バスツアーのカップル成立率はどのくらいですか

5割前後を掲げるツアーが多くあります。ただし当日成立しなかった人に翌日連絡が来て交際に発展した例も複数あるため、その日の発表だけで結果を判断しないでください。話して感触が悪くなかった相手とは、成立を待たずに連絡先を交換しておくのが確実です。

Q. 参加費はいくらくらいかかりますか

日帰りのシニア向けで、男性が1万6000円から1万7000円ほど、女性はそこから1000円ほど安い設定が中心です。企画会社によっては男性が2万円近くになります。自治体が主催するイベントなら5000円程度のものもあります。

Q. 一人で参加しても浮きませんか

浮きません。参加者のほとんどが一人で来ており、友人同士での参加はまず見かけません。一人参加が多いので声をかけやすかったという参加者の声もあります。

Q. 会話が苦手でも大丈夫ですか

短時間で勝負するパーティーより向いています。隣の席で数十分話す時間があり、移動や食事、観光でも同じ集団の中にいるため、口数が少なくても人柄が伝わる場面が何度も来ます。最初は目的地の話から入ると詰まりにくくなります。

Q. 当日、誰とも話せなかったらどうなりますか

終点まで降りられないため、残りの時間が重くなります。休憩ごとに一度は一人になる時間を作り、無理に全員と深く話そうとしないでください。第一声で失礼なことを言われても、席替えは何度もあるのでその日の評価として受け取らないことです。

Q. 連絡先を断ってもいいですか

断って構いません。断ったところサクラだと疑われた例や、強引に誘われた例もあります。渡したくない相手には渡さず、渡した後でも削除して問題ありません。困ったときはその場で添乗員や進行役に伝えてください。

Q. 服装は何を着ていけばいいですか

歩きやすい靴を選び、上に一枚羽織れるものを持ってください。観光地を回るため革靴やヒールは向きません。明るい色を一点入れると、集団の中で顔を見つけてもらいやすくなります。

Q. 何回くらい参加すれば結果が出ますか

回数を重ねて慣れてから出会えたという例が多くあります。一回目は場に慣れることだけを目標にし、誰と話したか、どこで詰まったか、次に何を変えるかを持ち帰ってください。結婚以外の目的で参加している人も混ざるため、最初の会話で相手の温度を確かめておくと効率が上がります。

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この記事を書いた人

シニア向け雑誌の人生相談コーナーの担当として、これまで1000通を超える読者の手紙を読んできました。悩みの多くは、分かってくれる相手が欲しいのだと知りました。定年後の空白、体力の変化、新しい人付き合い。人生後半は終わりではなく仕切り直しの時期です。

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